耳かき文化の中心:古代中国の耳かき

耳かき3000年の歴史

耳かきの歴史を語るうえで欠かせないのが、古代中国の耳かきです。
中国では何千年も前の遺跡から、高度な技術で作られた耳かきが出土しています。
素材に金や銀、玉を使い、精緻な彫刻が施された「耳かき付きヘアピン・かんざし」とでもいうべき、価値の高い物も多く見られます。

殷墟婦好墓の耳かき

殷墟の場所

古代中国の遺跡から見つかった耳かきの中で特に有名なのが、殷(紀元前14~11世紀)の首都・殷墟(現在の河南省安陽市~小屯村にかけて)遺構内・婦好墓から発見された2本です。

婦好は殷の第23代王・武丁の妻で、中国史に初めて登場する女性政治家・軍師でもあります。
紀元前紀元前1200年ごろに亡くなったと視られているので、墓から見つかった耳かきも同年代の物なのでしょう。

中国耳かき

発見された耳かきは軟玉(ネフライト。翡翠の一種)製で、魚をかたどったデザインです。
耳かきの部分は現在の物と大差が無く、この時代にはすでに耳かきの形状は完成形にあったことがうかがえます。

近いポイントからは、セミをデザインした物も発見されています。
こちらは端に穴が開いており、紐が通せる構造となっています。

殷墟を始めとして、中国では様々な遺跡から、多様な素材・デザインの耳かきが発見されています。
3000年以上前の時点で、宝玉を使って装飾入りの耳かきが作られていたということは、耳かきの歴史そのものはさらに古いと見て間違いないでしょう。

金製携帯お手入れキット

明の耳かき

古代ではありませんが、明の時代の沐睿という人物(1609年没)の墓から図のような金製のキットも発見されています。
耳かき2本、爪楊枝、毛抜きのセットで、鎖を引っ張ることでケース収めることができます。

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