耳掃除道具の双璧:綿棒

綿棒派?耳かき派?

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耳掃除道具として耳かきと双璧をなすのが綿棒です。
紙製、あるいはプラスチック製の軸の先端部に、脱脂綿を巻き付けた構造をしています。

発祥の地はアメリカで、「Cotton Swab(コットンスワブ)」や、最初の商品名から「Q-tips(Qチップス)」と呼ばれています。
同じ英語圏でも、イギリスでは「Cotton Dub(コットンダブ)」と言われるそうです。

綿棒の歴史

綿棒が発明されたのは1923年になってからで、紀元前数千年から存在していた耳かきに比べると、かなり近代的な道具であると言えます。

日本に入って来たのは太平洋戦争終結後で、進駐軍の放出品として出回ったのが普及のきっかけです。
当初は軸が木製で、材料や製法がマッチに似ていたため、マッチの生産地であった高知県高木市において作られるようになりました。

綿棒の特徴

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耳かきが耳垢を「掻き取る」「すくい取る」のに対し、綿棒は「拭う」ところが大きな違いとなります。
そのため、粘性が高めの耳垢や、穴の内側にへばりついているタイプの耳垢を取るのに優れた効果を発揮します。

柔らかいので耳を掻くことには適しておらず、あくまで「掃除」する道具です。
そのため、耳の中がかゆい時には耳かき、掃除をしたい時は綿棒というように、使い分けをするのが良いでしょう。

欠点として、先端が丸いために、使い方によっては耳垢を奥に押し込んでしまうところが挙げられます。
耳垢を奥まで押し込んでしまうと耳垢栓塞の原因にもなるので、綿棒を使うときは奥まで入れてはいけません。

綿棒は危険?

欧米では綿棒を使った耳掃除は有効性が乏しく、外耳炎などの原因になるとして使用しないようにと言われています。
理由としては耳垢に耳道の皮膚を保護する作用があること、耳垢を奥まで押し込んでしまうこと、鼓膜を傷つける可能性があることなどが挙げられています。

ただし、欧米では耳垢が飴耳の人が大半であるため、耳垢の種類が多様な日本人の事情にそのまま当てはめることができないでしょう。
また、そもそもアジア以外の地域では耳掃除をするという習慣がほとんどなく、耳かきに対する忌避感が強いという点も関係しているかもしれません。

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