高級竹製耳かき:煤竹耳かき
竹製耳かきの最高峰
耳かきに限らず様々な細工物の材料になる竹ですが、取ったばかりの青竹では耐久性などに問題があるので、漂白や炭化などの処理を施してから使われます。
処理を受けた竹の中で、特に高級とされるのが「煤竹」と呼ばれる物です。
煤竹の特徴
これは家の屋根裏や天井で、囲炉裏や竈の煙で数十年~200年に渡って燻された竹のことで、独特な赤褐色や飴色をしているのが特徴です。
燻されたことで繊維の一部が炭化して天然のカーボンファイバーを含む樹脂となっており、非常にしなやかになって割れにくくなっています。
でき上がるまでに非常に長い時間がかかる上、現在では煤竹が作られるような環境の家がほとんどなくなっているので、とても希少な材料です。
煤竹製耳かきのすごさ
煤竹製の耳かきの特徴は、まず何と言っても非常に良くしなる点です。
良くしなることで耳の皮膚への圧力が緩和され、掻き心地が優しくなります。
良くしなるということは折れにくいということでもあるため、普通の竹製耳かきに比べても細く・薄くことができます。
また、先端部のさじの部分の形状も多様化できるので、多くの耳かきに見られるような孫の手型ではなく、くびれがあるスプーン型にしやすいところも特徴です。
ただし、材料その物が貴重なので、最高級の煤竹を使って手作りした物ならば、1本当たり5000円の値段が付いていることもあります。
人工煤竹
現代では煤竹は主に古い家を解体した際などに出て来るものが使われていますが、人工的に煙で燻して作る「人工煤竹」もあります。
煙の効果は表面までしか及んでいないために本物ほど優れてはいませんが、1本300~500円程度と求めやすい価格で売られています。
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