これぞ通の品:銘木耳かき

貴重な木で作られた耳かき

銘木耳かき 2

木で耳かきを作る場合、最も多く使われる材料はツゲです。
ツゲは成長が遅くあまり大きくならないために、それなりに貴重な木材です。
しかし世の中には、さらに貴重な「銘木」を使った耳かきがあります。

銘木とは?

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銘木についての明確な定義はありませんが、木の中でも木目や色が美しく、非常に頑丈な種類がこう呼ばれています。
床材、家具や細工物、楽器などの材料に使われており、非常に高価です。

これらの木は成長が遅いことが多く、近年は需要の増加による乱伐を受けて数が減少しています。
輸出禁止に乗り出した国や地域も増えており、一部の種はほとんど取引されていません。

銘木を使った耳かき

銘木の耳かきは、当然ながら大量生産されることは無く、基本的には職人が注文を受けて手作りしています。
材料が希少であるためだけでなく、材質が非常に硬いので、下手に機械加工すると割れてしまうことが理由です。

材料が貴重で作るのにも手間がかかるため、安くても価格は1本3000円以上です。
しかし、美しい見た目、質感の滑らかさ、ずっしりした重みは、他の材料では絶対に出せない、値段に違わぬ高貴さを持ちます。
滑らかさと硬さが両立しているので、耳かきとしての性能も優秀です。

耳かきに使われる銘木

銘木のコピー

銘木に限らず大抵の木は耳かきの材料につかえないこともありませんが、銘木は流通している種類が限られています。

紫檀(シタン、ローズウッド)

マメ科サルカイチ属の樹木の内、数種類の木がこの名前で呼ばれます。
木の芯の部分が赤紫褐色~紫がかかった濃褐色で、磨くと美しい光沢が出るのが特徴です。
新しい木材はバラに似た香りを放つことから、ローズウッドとも呼ばれています。

黒檀(コクタン、エボニー)

カキノキ科カキノキ属の樹木で、こちらも数種類存在します。
非常に硬くて重たく、金属に似た光沢があるのが特徴です。
使用されるのは芯の部分で、真っ黒な品種と、黒と茶色の縞模様になっている品種があります。

鉄刀木(タガヤサン)

東南アジア原産のマメ科の樹木で、紫檀・黒檀に並ぶ「唐木三銘木」の一つです。
鉄の刀のように硬いことが名前の由来で、実際に木刀の材料にも使われています。
植林が比較的容易なので、紫檀や黒檀に比べると手に入りやすいようです。

スネークウッド(レターウッド)

クワ科の広葉樹で、南米ギアナ周辺に分布しています。
心材は赤みがかかった黒褐色で、ヘビの鱗に似た独特の模様が入っています。
木のサイズが小さく産出量も少ないので、幻の木と呼ばれるほど貴重です。

ブラジリアンチューリップウッド(ピンクウッド)

シタンと同じマメ科サルカイチ属の木で、ブラジル北東部に分布します。
ピンクがかかった色の芯材に、赤紫から淡い紅色の縞模様が入っています。
柔らかそうな見た目に反し、かなり硬い木として知られています。

パープルハート(バイオレットウッド)

マメ科の植物で、メキシコからブラジル南部の熱帯雨林に分布しています。
芯材は褐色ですが、空気に触れると鮮やかな紫色に変色します。
糸を染める染料の材料にも利用されているとか。

白檀(ビャクダン)

ビャクダン科の植物で、インドやオーストラリアに分布しています。
心材は良い香りを放ち、古くから仏具や扇子、お香などに使われてきました。
非常に硬く、彫ろうとするとノミの刃が欠けてしまうこともあるそうです。

白檀を材料にした耳かきは、柄の部分に彫刻を施したものが売られています。
見た目や手触りだけでなく、香りも良い耳かきです。
ただし、ビャクダンは栽培が困難で数も減少しているので、一般市場に木材が出て来ることは殆どありません。

チーク

南アジアから東南アジアを原産とするシソ科チーク属の樹木の総称です。
マホガニー、ウォールナット(クルミ)に並ぶ、西洋での高級木材の一つです。
天然の油成分を有しているので水や腐食に強く、建築材料や船の甲板材料にも使われます。

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