分かりやすい高級さ:貴金属耳かき

きらめく装飾品

金の耳かき 銀の耳かき

貴金属とは、金や銀のように希少で価値が高い金属のことです。
もう少し細かく言えば、酸化したり腐食したりしにくいため、いつまでも美しい輝きが失われない金属を指します。

化学の世界では、貴金属といえば金 、銀 、白金 (プラチナ)、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムの8つを指します。
宝飾品の世界での貴金属は金、銀、白金、パラジウムの4つで、銅が含まれることもあります。

金の耳かき

 金の耳かき-2

貴金属の代表格である金は、はるか昔から貴重な物として扱われ、紀元前3000年の時点ですでに利用が始まっていました。
貨幣や装飾品としての美しさだけでなく、金箔や金糸にも出来る軟らかさ、電気や熱を良く通す伝導性も持ち、工業的にも重要な存在です。

耳かきとして使った場合、ステンレスなどに比べると軟らかいことから、耳への当たり具合は段違いに優しくなります。
また、錆びない上に金属アレルギーも起こしません。

gold-513062_1920

軟らかいということは簡単に曲がるということで、耳かきのような細長い物を作るには向いていません。
そのため、耳かきでは適度な硬さを持つようにした合金の18金(金75%、銀15%、銅10%)が使われています。

しかし、少数ですが純金(24金)の耳かきも作られています。
鋳型に溶かし入れて作る方法(鋳造)では強度が不足するので、冷却と加熱を繰り返しながら塊の金を打ち延ばしていく方法(鍛造)で作られています。

銀の耳かき

 銀の耳かき-3

金に並ぶ代表的な貴金属である銀は、紀元前3000年ごろには金と同じように利用されていたようです。。
現代でこそ「2番目」扱いですが、精錬技術が低かった頃は金より価値がある物とされることも多かったとか。

銀は金に次いで良く延びる性質があり、金と同じように耳への当たりが柔らかい素材です。
また、銀のイオンはバクテリアに対して強烈な殺菌力を有するので、外耳炎の予防効果も期待できるかもしれません。

silver-1404322_1920

銀の弱点としては、黒ずみやすいという点が良く知られています。
これは硫黄と銀の表面が結合して硫化銀になることが原因です。
人間の汗や皮脂にも硫黄は含まれているため、銀の耳かきを使った後はこまめに拭いてあげましょう。

素材としては多くの場合「スターリングシルバー」という合金が使われます。
これは92.5%の銀に、17%の銅、少々のアルミを加えた物で、強度が高く、時間と共に硬さが増していく性質があります。
黒ずみにくいので、昔は食器や調度品に、現代では宝飾品によく使われています。

他の貴金属

金や銀以外の貴金属で作られた耳かきの例は無いようです。

プラチナ(白金)

金や銀以上に希少な金属とされるプラチナ。
かなり貴重であるためか、プラチナの耳かきは売られていません。
金、ニッケル、パラジウムの合金であるホワイトゴールドとはまた別です。

パラジウム

プラチナとの合金材料や、ホワイトゴールドの材料として使われる金属です。
近年では金やプラチナの相場高騰からパラジウムと銀の合金も宝飾品に使われているので、将来はパラジウム製の耳かきが出るかもしれません。

イリジウム

レアメタルの一種で、プラチナよりもさらに希少な金属です。
金以上に耐腐食性が強く、プラチナとの合金は高い硬度と耐熱性を持ちます。
希少性から宝飾品の材料にされることもありますが、さすがに耳かきはまだ作られていないようです。

※当サイトへのリンクを歓迎いたします。
(管理人へのご連絡は不要です)
PAGE TOP