竹:最もスタンダードな素材

耳かきの王道

竹の耳かき-2

耳かきの素材として最も一般的なのは間違いなく竹です。
耳かきといえば竹で、これは日本人なら100%そう答えることでしょう。
材料としてよく使われるのは、単に手に入りやすいというだけでなく、耳かきの素材として必要な性質をすべて兼ね備えていることも大きな理由です。

竹の性質

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竹は木のように大きくなりますが、イネ科の「草」です。
イネ科の植物は繊維が同じ方向に揃っているのが特徴で、これに沿って割ればまっすぐな棒になるため、串や箸、そして耳かきのような物が簡単に作れます。

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竹は強靭な繊維が束になっていることから、頑丈かつ良くしなる性質を持ちます。
加工も簡単で、しかも成長が非常に早いので、材料はいくらでも入手できます。
安価かつ大量に、しかも高性能な耳かきがたくさん作れる素材というわけです。

竹の耳かきの作り方

竹耳かき 作り方1

竹を処理する

切ったばかりの青竹は強度や耐久性が低いので、中の脂や余計な水分を抜く処理を施してから素材に使います。
脂を抜く方法は、苛性ソーダと塩素で煮る湿式と、火であぶる乾式があり、これらの処理を施された物は「晒竹」と呼ばれます。

この他、火であぶってある程度炭化させたり、数年かけて枯らしたりする方法があります。
中でも、囲炉裏や竈の煙で数十年以上にわたって燻された「煤竹」は、最高級の素材として有名です

形を作る

竹が処理出来たら、耳かきにちょうど良いサイズになるように割って切断します。
竹は表面に近い部分ほど繊維が密になっているので、耳かきのような細かい物を作るには、その部分を使用するのが良いそうです。

先端を作る

竹耳かき 作り方2

本体部分ができたら、先端近くに熱を加えて曲げ、水で冷やして固定します。
綺麗に曲がったら削って薄くして、やすりでさじの形を作りだします。
出来上がったら紙やすりで磨いて、耳の中に気持ちよく当たるようにピカピカにすれば完成です。

大量かつ安価に作れるとはいえ、良い耳かきを作るには相応の技術が必要です。
しかし、道具は簡単な物でも十分使えるので、腕に自信があれば自分だけのスペシャル耳かきを作ることも出来ます。

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