鼓膜が破れた!:鼓膜穿孔
鼓膜が破れた! とにかく痛い
耳掃除において、外耳炎に次いで起こりやすいトラブルが鼓膜の損傷です。
原因としては、耳かきを奥まで入れすぎたというケースが多いようです。
また、耳かきの最中に他の人がぶつかって来たり、子供を耳かきしている最中に突然動かれたりすることで、耳かきが鼓膜を破ってしまうケースもあります。。
それ以外にも、耳の入り口に物が当って、中の気圧が急激に変化したことで破れることもあります。
このように外からの力で鼓膜が破れることは「外傷性鼓膜穿孔」と呼ばれています。
鼓膜損傷の症状
鼓膜が損傷すると、まずは非常に強い痛みが生じ、損傷の度合いによっては出血することもあります。
耳が聞こえなくなることはありませんが、耳が詰まったときのように音が明瞭さを欠いて聞き分けづらくなったり、耳鳴りが生じたりするようになります。
鼓膜損傷の問題
鼓膜はかなり再生力が強い器官なので、よほどひどい損傷をうけない限りは、1週間~10日、長くても2~3週間すれば経てば元通りになります。
より深刻な問題は鼓膜の損傷ではなく、奥にある中耳や内耳にダメージが生じることです。
普段は鼓膜があるために、中耳には外気が入らず、無菌状態になっています。
しかし、鼓膜が破れると空気に交じって菌が侵入し、内部の粘膜が炎症を起こして中耳炎になることがあります。
中耳炎は予後が悪い
中耳炎の痛みや熱は早めに引くのですが、内部に膿が溜まるので耳だれが続き、鼓膜が治っても膿が溜まっている限りは耳が聞こえにくいままです。
完治するまでは2~3カ月かかり、内耳にまで炎症が生じて、一時的にですが難聴や目眩が生じることもあります。
また、中耳炎がひどかったり何度も鼓膜に穴が開いたりすると、本当に穴が開きっぱなしになってしまう状態になりかねません。
そうなると耳が聞こえにくくなるばかりでなく、中耳炎が繰り返されたり慢性化したりすれば、内耳の炎症も続いて難聴が治らなくなる危険性が出てきます。
耳の骨が折れる?
鼓膜が破れたときに同時に発生しやすいのが、耳小骨の骨折・脱臼です。。
耳小骨は大きさが数mmしかない小さな骨なので、鼓膜が破れるようなことがあれば簡単に折れてしまいます。
折れるだけでなく、骨同士の連結が外れ「脱臼」を起こすこともあります。
耳小骨は鼓膜の音を何倍にも拡大して伝えているので、折れたり脱臼したりすれば、鼓膜が破れただけの場合よりもさらに耳が聞こえにくくなります。
また、あぶみ骨の底板が損傷したり、折れた破片が内耳を傷つけたりすれば、内耳の中のリンパ液が外に漏れ出てきます。
こうなると聞く機能ばかりでなく体のバランス維持機能にまで影響が及び、耳が聞こう得にくくなるのみならず、目眩やふらつきまで発生してきます。
かなり危険なので、すぐさま病院に行かなくてはいけません。
鼓膜損傷した場合の治療
鼓膜が損傷しただけならば、炎症さえ起こらなければ短期間で治ります。
そのため病院では、抗生物質を処方し、滅菌ガーゼで耳に蓋をして、炎症の発生を予防する治療を行うのが一般的です。
鼓膜が破れたと感じたら、中耳炎になる前に病院で処置してもらいましょう。
めまいが発生しているときには内耳も損傷している危険性があるので、早めに行かなくてはいけません。
耳垢が出来るのは外耳道の前半分だけで、そこより奥には溜まりません。。
耳の後半に耳かきを入れる必要は無く、鼓膜を損傷する危険が増えるだけです。
「耳掃除は耳の入り口近くだけ」は、耳の健康を守るためにも大事な心掛けです。
(管理人へのご連絡は不要です)