実は多様な耳垢の種類

耳垢のタイプは生まれつき決まっている。

耳垢が出来る仕組みは万人共通ですが、生じる耳垢の形質は人によって大きく異なります。
大まかには、粘り気のある「飴耳(湿生耳垢)」と、乾燥した「粉耳(乾性耳垢)」に分類されます。

湿性耳垢は体から出る垢に近いワックス状ですが、乾性耳垢は薄皮の様にカサカサです。
耳垢が湿性か乾性であるかは遺伝子によって生まれつき決まっており、生涯にわたって変わることはありません。

耳垢の違いの原因

湿性と乾性

耳垢が湿性と乾性に分かれるのは、それぞれの人が持っている耳垢腺(アポクリン腺)の数が異なることが原因です。
アポクリン腺の数が多ければ汗の量も多く、耳垢は粘性が高くなります。
ちょうど、水をたっぷり含んだ土が泥になるような具合です。

逆に、耳の中にアポクリン腺が存在しなければ、耳垢は古い角質だけで構成される乾燥した物になります。
こちらは水が無くて砂のようになっている土のイメージです。

もしも耳垢の定義を「古い角質と耳垢腺からの分泌物から形成される物」とすると、耳垢腺がほとんどないために耳垢が乾燥している人は「生まれつき耳垢が作られない人」であるともいえます。。

季節や年齢による耳垢の変化

耳垢の種類は湿性と乾性の二種類だけで生まれつき決まっていますが、同じタイプであっても人ごとにさらなる違いがあり、同じヒトでも年齢や季節によって変化が生じることもあります。

例えば、アポクリン腺も汗腺の一種なので、暑い時には汗をたくさん出します。
このため湿性の人は、夏の間は耳垢の粘性が低くなる傾向にあります。
また、年を取ると汗の分泌量は減少するので、お年寄りの耳垢は粘りが少ない塊状に変化する傾向にあります。

それ以外に、皮脂腺の数や皮脂の分泌量によっても耳垢の形態は変わってきます。
脂っこい食事をする人や思春期の子供は皮脂の量が増えるため、乾性でもややしっとりした耳垢になります。
皮脂が少ない人の場合、耳垢はぱさぱさです。

耳垢のバリエーション

耳垢の形態

べとべとタイプ

湿性耳垢といえば、このべとべとなタイプを指し、飴耳とも呼ばれます。
汗や皮脂の量により、流れ出すほど粘性が低い物から、粘土の様に大きな塊になる物まで、バリエーションに差があります。

パイ生地タイプ

パイの底の部分のように、厚みがあってしっとりとした形質です。

薄皮タイプ

セミの抜け殻のように乾燥した薄く「剥がれる」タイプです。
粘性はない物の、ある程度の分泌物によって、耳垢の形状が保たれたままになっています。

パン粉タイプ

ある程度塊になって取れる乾性耳垢です。

粉タイプ

粒が小さい粉のような形態で、乾性耳垢の中でも最も乾燥しているタイプです。
このタイプの人は、耳の中にアポクリン腺が無いだけでなく、皮脂線の数も少ない傾向にあります。

耳かきをする場合、自分の耳垢のタイプがどれに当てはまるのかを把握してから、道具や方法を選ぶことが重要になってきます。

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