アフリカの耳かき事情

人類発祥の地の耳かき

アフリカの図

現代において耳かきの文化が根付いているのは、アジア地域にほぼ限定されています。
ローマ人やヴァイキングは耳かきを使っていましたが、現代のヨーロッパでは綿棒にとってかわられています。

アフリカでは耳かきはするのか?

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アフリカは非常に広い上に民族の数がとても多い大陸ですが、耳垢に関してはほぼ全ての人が湿性です。
元々の人類の耳垢が湿性で、乾性になった変異が寒い場所で生じたとなれば、現代のアフリカにすむ人々の耳垢が湿性であるのは当然と言えます。

人類の発達には耳かきは必ずしも必要が無く、湿性耳垢の人が多い地域では耳かき文化も発達していない様子からすると、アフリカでも耳かきはあまり使われていないようです。

ローマから伝わった?おしゃれ耳かき

耳かきには縁が無いように見えるアフリカですが、例外的に芸術的な耳かきを作っていた地域がありました。
しかもそれは、人類発祥の地と見られているアフリカ中西部、エチオピアです。

 エチオピア

エチオピエの東北部では、紀元100年前後~西暦950年ごろにかけて、アクスム王国という国が栄えていました。
インドやローマと取引していた交易国で、ローマを参考にして、アフリカで初めて独自の金属貨幣(金銀銅貨)を作った国として知られています。

エチオピア耳かき

高度な金属加工技術と資源を持っていて、ローマの文化も積極的に取り入れていたとことから、耳かきも作られました。
エチオピア製の耳かきは柄の部分が平たく、そこに精緻な模様が彫り込まれています。

ローマの物と比べると、アクセサリーとしての側面が強い華美なデザインです。
日本や中国の耳かきが髪飾りであったのに対し、エチオピアの耳かきは首飾りにするのに適した形といえます。

人類が生まれた大陸では耳かきが必要とされなかったのに、人類発祥の中心地で耳かきが作られていたというのは、なんとも数奇な話ですす。

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